うっかり王と号泣王の珍道中 -ツール・ド・フランス編- その②
うっかり王:姉
号泣王:妹
うっかり王の兼ねてよりの夢であるツール・ド・フランス観戦旅行についに行くことになりました。旅行の内容についてご興味ある方はこちらまで。こちらのブログではこぼれ話を少し書き留めておこうと思います。
ヨーロッパの王様には、「禿頭王」だの「肥満王」だの面白いあだ名が沢山あります。今回の旅行でも、ブルゴーニュ公シャルル突進王という、フランス王ルイ11世にナンシーの戦いで敗れた最後のブルゴーニュ公ゆかりの地に行ってきました。ナンシーの戦いって何?の方に興味が行くのではなく、我々姉妹は、「猪突猛進の王様だったんだろうね。でも、そのあだ名どうでしょう?」と、あだ名に興味あり。確かに、外国の王様は同じ名前の人が多い。「ルイ」だけで何人?そんなとき、名は体を表す、「そうそう、ルイ6世って、とっても太ってたんだよね。ルイ6世肥満王って呼んじゃおう!」っていうことになったのかしら。でも、日本の天皇に後白河禿頭天皇なんて、ありえないことです。
王侯貴族じゃないのに、「私たちだったら、どんなあだ名の王様かねえ」。しかも男でもない!今回はうっかり王が何故うっかり王と自ら名乗ったのかのエピソードです。
うっかり王、今回のツール・ド・フランス観戦を本当に楽しみにしていたのです。毎年、テレビ観戦しかできず、いつか私もこの人込みに交じって応援したい、できることならテレビに映りたい。そこで目立つように双子コーデで観戦することにしました。 なかなか人の目を引いたのでしょう、2度写真を撮ってもいいかと聞かれ、うっかり王はご満悦の様子。
日本にいる家族に、○○キロ辺りにいるから、絶対にテレビでチェックするようにとメッセージを送り、用意万端。プロトン(主力選手の集団)が通ると即、日本へ「ねえ、映った?」と確認。優しい家族は目を皿のようにして、「映った。日の丸と黄色い服着た人!2秒」と報告。時差があるのに毎晩、待っていてくれたのです。テレビにも映れて、本人は満足したかと思いきや、2秒じゃ嫌だと言いだします。
観戦8日目。前半戦の山場にやって来ました。車での通行が禁止されているにも関わらず本当に沢山の人が応援に来ていて、ツール・ド・フランス人気を実感しました。私たちも炎天下の中1時間かけてパラソルやらサンドイッチやらを持って観戦ベスト地点に到着し、陣取っていました。山道のジグザグのちょうどカーブの所に、私たち以外に日の丸を掲げている人がいたので、早速うっかり王、話かけに行きました。その方はツール・ド・フランス観戦2年目で、全行程を日本から持って来たマイ自転車で回られるとのこと、いやはや超人だと、脱帽です。色々ツール・ド・フランスのことを教えていただき、日本へ帰ってからの再会を約束して戻って来たうっかり王、表情に陰りが。どうしたのかと、聞くと、写真を撮らせてくれって言う人が一人もいない、自分は全然目立てていないと悲しげです。当たり前です!この日ここに集まってきている人は、平地で応援している、キャラバンから配られるプレゼント目当ての近所の家族連れではないのです。わざわざ山を登ってきている人たちなのですから、黄色い二人連れになど目を留めてくれるはずもないのです。待つこと5時間。選手たちが登って来ました。あまりの登りの険しさに選手たちの目も虚ろになっていました。ステージ優勝したフランスの選手は、ゴール手前5キロで両足がつってしまって、自転車がこげなくなってしまったそうです。なんとか、ストレッチをしてゴールに入ったのですが、あまりの足の痛さで立ち上がれなかったほど。過酷なスポーツです。
うっかり王、宿に着くなりその日の結果をネットで検索。そして、ツール・ド・フランス公式サイトに載っている写真を何度も何度も見て、レースの流れや雰囲気を反芻するのが日課になっていました。その晩も私が寝る準備をしている間、なめるように写真を見ていたうっかり王、「あっ!○○さん(山頂でお会いした日本人)が写真に出てる。しかも、2枚。あたしのない。ずるい。悔しいから○○さんには教えてあげない!」とふくれています。その後も、自分が写っている写真はないか何度も見なおしてはため息をついて、不貞腐れていました。ようやく二人でベッドに入り、
うっかり王:ねえ、今日のダイジェスト写真見たい?
号泣王:うん。見たい。
うっかり王:見て見て、ほら○○さん写ってるでしょ?
号泣王:でも、後姿じゃん。
うっかり王:いいじゃん、後姿でも。いいなあ~。あたしも写りたかった。
見て見て、この写真、我々、このすぐ近くにいたんだよ。すごく惜しくない?
号泣王:そうだよね。我々この辺りにいたよね。ねえ、これあんたじゃない?
あなた、写っているじゃない!しかも顔もばっちり
うっかり王:えっ!嘘だ。だってあたしこの写真、何度も何度も見てたんだよ。
号泣王:じゃあ、これは誰だ!
うっかり王:やだ~。恥ずかしい、これじゃあたし「うっかり王」だね。てへ。
冒頭の写真をご覧ください。うっかり王、真剣に応援しています。デビューおめでとう!
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