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新・東京スピニングパーティー

巷はサッカーのワールドカップで盛り上がっているようですが、私たちトワゾンドールは「新・東京スピニングパーティー」出店へ向けてハッスルしています。16回目を迎える日本で唯一のファイバー・ウールフェスティバル、今年は、イベントの原点でもある「手紡ぎ」をテーマに、染める・織る・編む・組む・縫うに関わる人たちが大集合します。103のブースが並び、国内外で活躍する講師陣によるレクチャーやワークショップなどが企画されています。

9月のことでまだまだ先ですが、日々準備に追われています。このようにプロと肩を並べるような機会は初めてで、喜びと不安で気分はジェットコースター状態です。Crteema主催の「丸の内マーケット」ではうっかり王、持ち前のポジティブさで「きっと全部売れちゃう。商品が足りないかもしれない」と心配していましたが、さすがに今回の大イベントに関しては、私に過大な期待を抱かせては可哀想という気持ちもあるのでしょう、弱気な発言も。スピンニングパーティーを数度見に行ったことがある彼女曰く、閑古鳥が鳴いているブースも多数あったそうです。しかも私たちのブースの場所は人通りが少ないとのこと。不安要素はありますが、精一杯頑張りたいと思います。

毎年長蛇の列ができるほど人気のあるブースは「梅村マルティナ 気仙沼FSアトリエ(株)」。当時京都在住だったドイツ出身の梅村マルティナさんは、東日本大震災の際に毛糸と針を被災地の方々に贈ったことが縁で、避難所で知り合った仲間とニット製品を製造・販売する会社「梅村マルティナ 気仙沼FSアトリエ(株)」を設立しました。一番の目玉商品は、編んでいくと自然と模様が出来上がっているドイツ製のソックヤーンOpal。たまたまこのソックヤーンを製造しているメーカー・TUTTO社がマルティナさんの実家のすぐ近くにあるということもあり、共同で「マルティナ・オリジナルカラー」というシリーズを開発し販売もしています。名前にあるFSとはドイツ語でFriedenssocken (フリーデンス・ソッケン )=「平和の靴下」という意味。マルティナさんの気仙沼復興への祈りが感じられます。そして気仙沼だけでなく編み物の楽しさを全国のみなさんと共有しようと積極的に全国を回っています。シンボルは気仙沼の避難所のみなさんと一緒に作った「幸せをいっぱいつかみ取れるように」という願いがこもった8本足の「小原木タコちゃん」。マルティナさんの行くところどこでも登場します。

無心で編んでいる時、本当にしあわせです。つらい時、何もする気力が起こらない時、編むことでとても気が楽になります。

マルティナさんはこの信念の元、被災地に毛糸を贈ったそうです。この言葉は編み物の魅力の本質を表していると思います。私も何度なく編み物に救われました。心が押しつぶされそうなほどの不安に襲われたとき、黙々と編み続けました。もちろん不安はなくなりませんが、編み物をしている間は無心でいられるのです。編み物の楽しさ、安らぎを沢山の人に知ってもらえたらと思い、編み物がしたくなるような毛糸作りやニットナイトの活動を続けてきました。こうした活動の輪をもう少し広げられるのではと、今回東京スピニングパーティーへの挑戦を決めたのです。会場の隅っこのブースで、閑古鳥が鳴き、しょぼくれているかもしれない私たち姉妹を是非励ましにいらしてください!

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