うっかり王と号泣王の珍道中 -ツール・ド・フランス編- その①
うっかり王:姉
号泣王:妹
うっかり王の兼ねてよりの夢であるツール・ド・フランス観戦旅行についに行くことになりました。旅行の内容についてご興味ある方はこちらまで。こちらのブログではこぼれ話を少し書き留めておこうと思います。
うっかり王も号泣王も元々笑いの沸点のとても低い姉妹であります。号泣王の称号を得るまではリアクション大魔王の称号を頂いていたぐらいですから、とてもリアクションも大きく、それはそれは賑やかな姉妹なのです。旅行に出る前の母からのメールには、「スリに気をつけてね」とか「車の運転にはくれぐれも注意してね」と言ったものではなく、「あまりはしゃぎすぎないように」とありました。
簡単にご想像いただけると思いますが、旅行中は大賑わいです。色々なくだらない話をしました。よく話題にのぼっていたのは(もちろん、ツール・ド・フランス以外)自分たちの「女子力」のなさについて。私たち姉妹の生活を文章化してみると、こんな感じです。
家族よりも一足(あるいは二足)早く起き、愛犬の散歩に出かける。
前日より仕込んでおいた天然酵母のパン(もちろん酵母も手作り)、手作りヨーグルト、5種類以上の野菜と果物5(オーガニック)をスロージューサーで搾った酵素たっぷりのジュースで朝食。
家事を済ませた後は、庭に出てガーデニング。
昼食
庭で採れた草花を染液にして毛糸やスカーフを染める。
家事+夕飯の準備
寝るまで編み物
どうみても、女子力の高そうな生活です。でも、どうしてでしょうか、私たちには女子力が完全に欠けているのです。実際に送るっているのはドタバタ生活なのです。
例えば、今回の旅行。お互い、当たり前のようにブラシを持って行きませんでした。もちろんドライヤーと言った物は美容院でしか使ったことがないと言っても過言ではなく、洗いっぱなしの髪で寝てしまうので、翌朝の髪は親子獅子を踊るのか?それとも石川五右衛門一座かと言わんばかりの髪型です。お互いの髪を見て大笑いし、「ま、いっか」と重力がどうにかしてくれるであろうと諦めて、ホテルの朝食を食べに行っていました。
また毎回食事に出かけるたびに、
「ねえ、あんたお化粧する?」と聞き合うのです。
うっかり王は自慢げに
「するよ。最近目力がなくなってきてるから、目の下にラインを入れる」
号泣王
「えっ?それでお化粧って言うの?」
うっかり王
「うん。そうだよ!」
こんな調子です。こうような話は枚挙にいとまがありません。天然酵母のパンを作ろうと、ジュースを搾ろうと、毛糸を染めようと、私たちは絶対に女子力いっぱいのキラキラ女子にはなれないのです。では、私たちは何なのか?
旅行中、偶然食事で寄った小さなちょっと寂れた村で、毛糸屋さんに集まるおばちゃんたちに出会いました。彼女たちの外見からしか分かりませんが、決して女子力が高そうではありませんでした。でも、編みかけの作品をお揃いの袋に入れて、目を輝かせながら毛糸屋が開くのを待っている姿から、本当に編み物女子会を楽しみにしているのが分かりました。彼女たちは決してキラキラ女子ではないけれど、心の中はキラキラしているに違いありません。ちょっと(だいぶ)たるんだお腹と化粧っ気のない素顔、そして心に秘める煌きにシンパシーを感じた私たち。
そうなんです。私たちは、女子としての「力」はないけれど、「乙女度」が高いのです。綺麗な糸に出会って、その糸を使った作品の出来上がりを想像したときの高揚感。編んでいるときの止まらない妄想力。自分が染め上げたい色に近づいたときに胸にこみあげてくるドキドキ感。そんな乙女度が高い姉妹は、この旅行中も、ツール・ド・フランスのマイヨジョーヌカラーに染めた毛糸を使って、靴下を編んでいました。3週間で1足編めるか、挑戦です。